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腎臓病の犬とフルーツ①|与えてはいけない果物

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甘い果物が好きなわんちゃんは多いですよね。一般的にフルーツはタンパク質やリン、ナトリウムなどが少ない食材なので、腎臓病のわんちゃんにも与えることができるものが多いです。

しかし、中にはわんちゃんに対して有害なものもあるため、なんでも食べさせて良いわけではありません。このページでは、腎臓病のわんちゃんに与えてはいけない、注意が必要なフルーツについて解説していきます。

 

目次

  

ブドウ

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生のブドウや、乾燥したブドウであるレーズンをわんちゃんが食べると腎臓障害を起こすことが知られています。死亡例も少なくなく、わんちゃんにとってブドウは非常に危険な毒性植物であると言えます。

ただ、実際のところブドウに含まれるどの成分が中毒を起こすのかは、いまだによくわかっていません。そして、ブドウ中毒に対する感受性には個体差が大きいことも知られています。"うっかり食べちゃったけど、意外となんともなかった"という話も聞きます。しかし、どういう体質の子が、どの種類のブドウを、どれくらい食べると中毒を起こすのか?がまったく予測できない以上、例え少量であってもわんちゃんにブドウを与えるべきではありません。

腎臓病のある子はもともと腎機能が低下しているため、より中毒を起こしやすいかもしれません。間違っても口にしないよう、十分に注意しましょう。

 

スターフルーツ

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星の形をしたトロピカルフルーツです。あまりなじみがないかもしれませんが、日本でも最近流通量が増えスーパーなどでも売られるようになってきました。

スターフルーツにはカランボキシンという神経毒が含まれています。腎臓の機能が正常であれば食べても尿中に排泄されるので問題は起こしませんが、腎機能の低下した人の患者さんでは血液中にカランボキシンが蓄積して神経系の中毒症状を起こすことが知られています。

犬での報告は筆者の知る限りないようですが、原理的には人と同じである可能性があります。腎臓病のわんちゃんにスターフルーツは与えないほうがよいでしょう。

 

アボカド

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アボカドにはペルシンという抗菌物質が含まれており、様々な動物種で中毒を起こすことが知られています。犬での報告は世界的にみても少ないですが、おそらく心臓に対する毒性があり肺水腫などを起こすようです。腎臓病とは直接関係はなさそうですが、わんちゃんにアボカドは与えない方がよいでしょう。

 

シュウ酸を多く含む果物

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シュウ酸は様々な野菜や果物に普通に含まれており、また体内でも合成される物質です。シュウ酸カルシウム結石症の原因としても知られています。

通常、シュウ酸は腎臓でろ過されて尿中に排泄されていますが、腎臓病の患者さんではシュウ酸を排泄する能力も低下してきます。シュウ酸は尿毒素の一種です。血液中の過剰なシュウ酸はカルシウムと結合して水に溶けない結晶となり、さらに腎臓を傷害する可能性が指摘されています。習慣的に大量に摂取するのでなければ問題は起きないかもしれませんが、腎臓病のわんちゃんは多量のシュウ酸を摂取しないように気をつけた方がよいでしょう。シュウ酸を含むフルーツとして次のようなものがあります。

これらは与えるとしても少量に控え、習慣的に毎日与えるようなことはしないほうが無難かもしれません。

クランベリーやブルーベリーなどは一部のサプリメントに含まれていることがあります。こうしたサプリメントを常用している場合は、定期的に獣医師の診察を受けるようにしましょう。

 

おわりに

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腎臓病のわんちゃんが食べてはいけない、要注意のフルーツについてまとめてきました。こうしたフルーツはごく一部であり、逆に言えば、大部分のフルーツは腎臓病のわんちゃんでも問題なく食べることができます。

もし、今まで大好きだったフルーツがあるなら、これからも食べさせてあげたいですよね?注意すべきポイントを守れば、ほとんどの場合禁止する必要はありません。ささやかな楽しみを奪うことなく、豊かな腎臓病ライフを送りましょう!

 

【参考文献】

Cortinovis, C., & Caloni, F. (2016). Household Food Items Toxic to Dogs and Cats. Frontiers in veterinary science, 3, 26. https://doi.org/10.3389/fvets.2016.00026

Fernandez-Prado, R., Esteras, R., Perez-Gomez, M. V., Gracia-Iguacel, C., Gonzalez-Parra, E., Sanz, A. B., Ortiz, A., & Sanchez-Niño, M. D. (2017). Nutrients Turned into Toxins: Microbiota Modulation of Nutrient Properties in Chronic Kidney Disease. Nutrients, 9(5), 489. https://doi.org/10.3390/nu9050489

Kovalkovičová, N., Sutiaková, I., Pistl, J., & Sutiak, V. (2009). Some food toxic for pets. Interdisciplinary toxicology, 2(3), 169–176. https://doi.org/10.2478/v10102-009-0012-4